開発の現場から ~① Drupal

  通りいっぺんのサイトであれば、WordPressやEC-CUBEをある程度カスタマイズすれば制作できる。 しかし、顧客のさまざまな要求に応じた、高度な機能を備えるセキュアなサイトになってくると、WordPressではなかなか手が出ない。 そういう時はDrupalの出番になる。 Drupal(ドゥルーパル)は例えば、ホワイトハウス(https://www.whitehouse.gov/)、ボストン美術館(http://www.mfa.org/)、FOX News(http://www.foxnews.com/)、ベライゾン(http://www.verizon.com/)といったところで使われている。2016年リオオリンピック公式サイト(http://www.rio2016.com/)もDrupalだ。 残念ながら、日本ではDrupalの普及率はそれほど高くない。 理由は簡単。まともな解説書が存在しないのだ。だから、そんじょそこらのプログラマーでは手が出ない。 日本語の解説書は、『Drupal 実践プログラミング徹底入門』(2009)と『Drupal Pro Book』(2008)の2冊だけだ。しかも、どちらもDrupal 6 の解説書だ。 Drupal 8 はまだ手を出さない方がいいけれど、新たにDrupalを導入するのなら、Drupal 6 ではなく、Drupal 7 に決まってる。 Drupal 6 とDrupal 7 とではまったくプログラムが異なっている。 だから、日本のプログラマーはDrupalを扱えないのだ。 もちろん、日本人のDrupal専門家たちは一生懸命にフォーラムを作ったりしてくれている。 しかし、日本語文献の量は圧倒的に少ない。Drupalをカスタマイズしようとしたら、現実的にはDrupal関連の英語サイトに当たるしかない。 もともとDrupalは、世界のプログラマーたちが無償で拡張モジュールを開発して提供しているオープンソースプロジェクトだ。多忙ななかで素晴らしいモジュールを無償で提供してくれているプロフェッショナルには頭が下がる。 しかし、オープンソースであるがゆえに、どうしてもプログラムのバグが発生してしまう。Drupalのコミュニティサイトでは、開発者間でバグについての意見が交換され、参加者がバグを修正したプログラムを世界のDrupalユーザーに向けて公開する。時には、本来のモジュール提供者が、それらの修正プログラムをもとに正式の修正パッチを作成し、十分なテストを実施したうえで公開してくれる。 例えば、こんな感じだ。 drupal_userpoints (元ページ)https://www.drupal.org/node/885174 まあ、このパッチは、本来のモジュール提供者が自信満々で「これで大丈夫だ」と言ってはいるのだが、1か所間違えてたな。 モジュールを利用するサイトのプログラムの仕様次第では不必要な箇所だから、見落としてしまったんだろうな。 そのうち誰か困ったら、教えてあげるか。